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2005年9月

「機動戦士ガンダム」に見る効率性

「機動戦士ZガンダムII/恋人たち」の前売り券が公開8週間前で3万2500枚に達し、前作「星を継ぐ者」(8.3億円)の累計枚数を上回ったそうである。前作はシネリーブル池袋をメイン館に全国80スクリーン前後で公開され、初日・2日興収が1億6000万円。同時期に公開された「ミリオンダラー・ベイビー」が265館で1億7600万円だったことを考えると非常に効率の良い結果。一興行で見ても1館あたりの興収が8億円/80スクリーン=1000万円。ちなみに「宇宙戦争」が60億円/840スクリーン=715万円。今回は100スクリーン前後で上映するみたいなので、少なくとも前作の2割増・10億円台に乗りたいところでしょう。それでも「前作ほどの勢いがなかった」なんて言われたりして...

がんばれ!ヨン様

先週末のボックスオフィスは「チャーリーとチョコレート工場」が土日2日間前週対比+7%で16日間累計興収24億円、「NANA」が23日間累計で28.5億円と順調なのに対して、「四月の雪」は前週対比ー45%。9日間で10.8億円とアクション映画並みの落ち込み。目標の「僕カノ」越えも楽々とは行かない模様。「SHINOBI」も9日間累計6.9億円。こちらも損益分岐点の20億円には赤信号が点滅です。

またチェーン公開された唯一の新作「がんばれ!ベアーズ<ニュー・シーズン>」は「ハービー」(1.7億円)の43%、トップ10圏外からのスタートとなりました。それにしてもあれだけアメリカでヒットした「ミート・ザ・ペアレンツ2」でさえ全米公開から約1年経ってようやくチェーン外での公開になるくらいアメリカ製コメディ作品の扱いが厳しい日本のマーケットで、全米公開から数ヶ月でみゆき座をメイン館として劇場公開されている本作。UIPの営業力が凄いと言うこと?それとも単なる作品不足?「ハットしてキャット」や「シンドバッド」の劇場公開中止から、ユナイテッド・シネマのみで公開された「クライシス・オブ・アメリカ」「ウィンブルドン」「プライド 栄光への絆」とシネコン中心のブッキングを経て元のパターンに戻っただけでしょうか?

エエモンはエエですよ。

今年に入って「ナショナル・トレジャー」(20億円)以外「プリティ・プリンセス2」「ハービー」「コックリさん」と低迷気味のブエナビスタ社が、秋の興行で期待をかけた「シンデレラマン」。ボックスオフィスでは「ひさしぶりに、いいね。」とはなりませんでした。とは言うものの「ミリオンダラー・ベイビー」(13億円)と同じくらいの出足なので、まずまず健闘しているのではとも思えます。
cm アメリカでは大手映画館チェーンAMCが、批評家の評価は良好にも関わらずボックスオフィスの成績が不調の本作に対して、、「もし映画がつまらなければ窓口でチケット代を返金する」という返品保証を試みたようです。日本での宣伝も口コミ効果を狙って、多くの有名人のコメントを新聞広告・テレビスポットに使用。有名人が試写室のような所に座ってこっちを見ている下に小さく映画の場面写真を並べた広告は、「これは何の広告?」ってくらい斬新?中でも辛口の井筒監督の「エエモンはエエですよ。」ってコメントは結構説得力あった気がします。これをきっかけにこの手の仕事が増えて、お○ぎのように年に何本も「生涯のNO1」なんてことを言わないで下さいね。

忍-SHINOBIファンド

shinobi 「四月の雪」以外の17日から封切りになった作品につきましては、土日2日間で「SHINOBI」2.16億円、「ファンタスティック・フォー」2.02億円、「シンデレラマン」1.83億円、「イニシャルD」1.49億円と僅差で並びました。中でトップの「SHINOBI」は「あずみ2」(6億円)の194%。最終興収12~15億円の見通しと、自分の予想よりは健闘したって感じ。しかし、この作品映画ファンドで資金調達していて、ファンド概要のシュミレーションによると、まず興行収入が20億円が損益分岐点。レンタル・セルテープおよびセルDVDがシュミレーション以上に売り上げないと元本割れ。状況は厳しいと言わざるおえません。まあ夢を買ったと思えば数千円の元本割れでも安いものですかね?

ヨン様vsジョニー・デップ

「四月の雪」ボックスオフィスの結果は、初日動員12万9000人、土日2日間の興収が3.14億円と速報を10~14%下回りました。日本での歴代韓国映画興収NO1「僕の彼女を紹介します」(20億円)のスタート2日間の2.34億円はらくらく超えたものの、現段階では最終興収20億円X134%=28億円くらいが着地点ですかね?内容が淡々としてラブストーリーなのにあまり泣けないと言う評判なので、デートムービーへと広がっていく可能性は低いかなあ?初日12万9000人、2日目11万500人、3日目9万4600人と、アイドル映画やアニメのように順調に落ちていっているのも、大人の映画としては不安材料。シニア女性層のリピーター頼みですかね?RANKING
記者会見の人数ではヨン様に敗北したジョニー・デップの「チャーリーとチョコレート工場」は2週目土日3.96億円とボックスオフィスでは勝利を収めました。

「四月の雪」、ようやく初日

UIPから「四月の雪」の初日速報が発表されました。

「...メイン館のスカラ座は本日のチケットはほぼ完売状況で、「僕の彼女を紹介します」の180%となるスタート。全国では本日のみで約15万人の動員が見込まれ、この土日での興行収入は3億5千万、最終的にも「僕の彼女…」が打ち立てた20億円という記録を上回る興行収入30億円の韓国映画史上最大のヒットとなることは確実となっています。また、スカラ座では午前中の2回の上映だけでグッズの売り上げは200万円、2種類あるパンフレットもほぼ二人に一人が購入するというペースで100万円以上の売り上げとなっています。なお、この一館のみで今日は1000万円に達するペースとなり、日比谷スカラ座でのグッズ売り上げの新記録となることが予想されます。」(「四月の雪」公式HP 最新情報より)RANKING

やたらと「韓国映画史上最大のヒット」と言うのを強調したい感じですね。「グッズの売り上げ新記録」って言うのは信じられるものの、「宇宙戦争」の初日の時もさんざんスポーツ誌をあおって、結果が見込みを20%くらい下回ったと言う過去を持つだけに、連休明けまで分析待ちかなあ...kamon

ちなみに9月8日から公開された地元では週末ボックスオフィス3位のスタート。1位「家門の危機-家門の栄光2-」(写真)、2位「刑事・Duelist」と共に韓国映画。これって「四月の雪」意外に健闘していると見るべきなのでしょうか?

「いま、会いにゆきます・2」???

renai 8月までの興収累計が365.8億円と絶好調の東宝。それに対して東映は78.4億円とその約5分の1。8月までに公開された作品のうち興収10億円を超えたのが、「北の零年」27億円、「ワンピース」12億円の2作品。正月の「男たちの大和」の前売りが売れているとか、来年のラインナップは渡辺謙主演「明日の記憶」、松平健主演「バルトの楽園」、石原慎太郎製作・脚本「俺は、君のためにこそ死にいく」と聞くと、いよいよシニア向けに特化?と思ったら、夏に「いま会い」原作者市川拓司の「恋愛寫眞 もうひとつの物語」を玉木宏と宮崎あおいで映画化するとか。これからシニア人口も増えていくのですし、アニメ以外の「鳶がクルリと」とか「同じ月を見ている」とか中途半端なものは思い切って止めて、時代劇とか吉永小百合作品とか渡辺淳一原作ものとか専門にした方がいいと思うのですが。と言うかこの企画、東宝でやればヒットしそうな気も???ちなみに2003年松竹配給で公開された「恋愛寫眞」は2億円、東宝配給「いま会い」は48億円の興収でしたね。

続・ヨン様の秋

LAWSON-1LAWSON-2いよいよ今週末に初日の近づきました「四月の雪」。公開11日前の9月6日に劇場前売券売上げが20万枚を突破したそうです。例の9種類のポストカード付15万枚以外に、ローソンオリジナル絵柄4種類1万枚、ファミリーマートオリジナル絵柄5300枚、オンライン発券5000枚、劇場独自制作分2万枚等の内訳。ローソンでは、公開劇場かローソンでしか手に入らないフォトカードセットも発売される模様。話題先行で、まだ映画始まってなかったの?って感じですね。RANKING

室井→NANA→タッチ

touch

先々週ボックスオフィストップ「容疑者 室井慎次」、先週トップの「NANA」に続き、東宝から3週連続でボックスオフィスに送りこまれた刺客「タッチ」。土日2日間1億8900万円の興収とさすがの東宝さんでも残念ながら連続トップはなりませんでした。「スィングガールズ」(21億)の99%、「下妻物語」(6億)の240%、「電車男」(36億円)の67%...最終興収14~24億円と現段階では予測困難。日本映画は腰の強い作品が多いので、スタートだけでは読みきれませんね。「チャーリーとチョコレート工場」にトップを取られたものの、2~4位までを東宝作品が独占。凄いです。

チャーリーとチョコレート工場

「チャーリーとチョコレート工場」土日2日間ボックスオフィスで4億7000万円の大ヒットスタートを切りました。これは「パイレーツ・オブ・カリビアン」(68億円)の86%、「ネバーランド」(10億円)の330%、「シークレット・ウィンドウ」(8億円)の300%。単純に平均すると最終興収38億円???ティム・バートン+ジョニー・デップのブラックな作品にもかかわらず、意外に子供が見に来ているみたいです。大人が思う以上に子供の感性は柔軟なのかもしれませんね。次週はヨン様との対決。デップ人気が試される???

ヨウガシに残るオカシな工場

JD 記者会見にはヨン様に迫る1000人近い報道陣を集めたジョニー・デップ。失礼ながらそんなに人気あったんだと言う印象はヒット作が少ないから?近年の主演作を見ても、 「ネバーランド」5100万ドル/10億円、 「シークレット・ウィンドウ」4800万ドル/8億円、「パイレーツ・オブ・カリビアン」3億5000万ドル/68億円、それ以前に関しても主演の「ブロウ」「フロムヘル」脇で出た「レジェンド・オブ・メキシコ」「ショコラ」「ロスト・イン・ラマンチャ」「夜になるまえに」「耳に残るは君の歌声」と、「パイレーツ」を別格とすると日米共にヒットとは縁がない。同年代のトム・クルーズやキアヌ・リーブスとは違って、と派手なアクションより地味なドラマを選ぶこだわり俳優なのかもしれません。今回の「チャーリーとチョコレート工場」は彼らしい風変わりな役を演じながら全米ボックスオフィスで2億ドルを稼いだ「パイレーツ」に続くヒット作。5000万ドル=10億円と言う最近の彼の実績から考えると、2億ドル=40億円???
本日より工場大公開です。

48

使い捨てDVDソフトが発売になるそうです。特殊な樹脂でディスクの表面が加工され、真空パッケージ開封後約48時間で空気に反応した樹脂が光を通さなくなって再生ができなくなる技術を利用したもの。第1弾として「アビエイター」「花と蛇」「カンフーサッカー」の3タイトルが税込価格600円で、オンラインと東京・神奈川・千葉・埼玉のコンビニで発売。
それにしても音楽配信に続き映像配信時代へと移り行く中、まだまだ形あるものでないと不安な人って多いのでしょうか?アメリカでは新作の公開中にDVD発売する案もあるらしいですが、そのくらいしないと売れないような気がします。
この夏の作品は「バットマン・ビギンズ」10月28日、「宇宙戦争」11月9日にDVD化されるようですが、公開から4ヶ月では遅い時代がすぐそこに来ているのかもしれませんね。

邦高洋低

「NANA」の大ヒットの陰に隠れてしまいましたが、「魔法戦隊マジレンジャー仮面ライダーヒビキ」も週末2.8億を稼ぎ昨年対比122%の好スタートを切りました。日本映画元気いいですね。
東宝、東映と来て、次は110周年記念の松竹さんの番。夏の「イージス」「妖怪大戦争」が健闘。9月17日公開、日本で初めての個人向け映画ファンドによる資金調達で早くから話題になっていた「SHINOBI」で勝負なんでしょうが、公開まであと10日くらいに迫っている割にいまひとつ見えてきません。あまり試写会も実施されていないようですし、やばそうな雰囲気?第2の「阿修羅城の瞳」になるか?
洋画は「チャーリーとチョコレート工場」「四月の雪」「シンデレラマン」「ファンタスティック・フォー」と出てきますが、日本映画に負けずがんばってほしいですね。

「NANA」は凄かった

今週末は予想通り「NANA」が好スタートを切りました。土日2日間で5.4億は恐れ入りましたって感じですね。「世界の中心で愛をさけぶ」には及ばなかったものの、「いま会いに行きます」(48億)の185%、「電車男」(36億)の190%と言うことは70億前後?「宇宙戦争」以上???
先週トップの「室井」も今週末4.5億を稼ぎ、「真下」(41億)の130%で推移。と言うことは41億X130%=53億?それから試算すると「NANA」は「室井」の84%のスタートだから45億???
何にしても東宝さんの快進撃はまだまだ続きそうですね。次週の「タッチ」、10月の「蝉しぐれ」までもつながっていくのでしょうか?

祝「ミート・ザ・ペアレンツ2」公開決定

2004年全米ボックスオフィス第4位、2.79億ドルの興収をあげたにもかかわらず日本での公開が未定だった本作。11月にVIRGINTOHOシネマズ六本木ヒルズ他での公開が決定したそうです。ハリウッド製コメディーは日本ではまずヒットしないと言うのは分かっていても、さすがに2億ドルを超え本国では「ミスター・インクレディブル」(2.61億)や「ハリーポッターとアズカバンの囚人」(2.49億)以上に儲けている作品をインターナショナルマーケットの稼ぎ頭・日本で未公開なんていうのは製作者が黙っていないはず。にもかかわらず今回ここまで遅れに遅れたのは、おそらくUIPとアスミック・エースの営業力の差かなあ?などと感じてしまいます。この手の作品を興行者に受けてもらうのには大作をいっぱい持っているハリウッドメジャーじゃないとまだまだ難しいのでしょうね。シネコンのおかげで中規模の公開が可能になってオクラ入りを回避できたことに、見る立場で感謝。ってうちの近所では公開されるのだろうか?

ちなみに今年の3月に公開され0.68億ドル稼いだ「ゲス・フー/招かれざる恋人」も9月24日からユナイテッドシネマとしまえんほかで公開されるそうです。これまた「ほか」ってどこ???

容疑者>交渉人

今週末のボックスオフィスは予想通り「容疑者 室井慎次」がダントツのトップ。でも「交渉人 真下正義」の116%って言うのは良すぎの感も。夏休みの終わり+「交渉人」以前からの一連の宣伝が効いたってことなのかなあ??「交渉人」は2週目の週末が前週対比75%だったので、「容疑者」も2週目の落ちを見ないと40億円に到達するかは???ですね。今週末は同じ東宝マークの強敵(?)「NANA」も出ますし...
もうひとつの続編もの、「釣りバカ日誌16」も前作の123%とアップ。こちらは伊東美咲とボビーの人気がタイミングよく上がってきたプラス効果でしょうか???

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